浜松市の私立保育園ロイコスプレスクールの栄養士、鈴木淑美さんが 平成13年度の自主研修として、1人で試行錯誤しながら食育に取り組みました。 自分で資料を集めたり教材を手作りしたりしながらのその結果を、自主研修記録として まとめましたので、その中から一部を紹介させていただきます。研修テーマ
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年間テーマは『旬のお野菜を使ったクッキング』 『食育について』です。クッキングでは「えんどう豆をさやから出す」「筍の皮むき」 「よもぎ摘み&団子つくり」「蕗のスジ取り」「泥付きジャガイモの塩ゆで」「米とぎ」 「トウモロコシの皮むき」「スィートポテト」ほか、乳児から年長まですべての年齢の子が 自分たちに出来る活動に参加しました。活動のあとでは、クラス担任と栄養士が それぞれの立場から反省点を記録として残しています。クラスの方からの要望は 「給食室に対して」「次回行ってみたいこと」に記入してもらい、その意見を 出来るだけ反映させるように心がけました。
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園全体で食育に取り組んでいこうとする 意気込みが伝わってきます。実際に、「次回行ってみたいこと」に「土付きの野菜を洗う 作業がしたい」とあれば、泥付きジャガイモを材料にしましたし、要望を実行に うつすことで、取り組む意欲も違ってくるのではないでしょうか。 右の写真は、0,1才児の「イチゴジュースつくり」の写真です。 近所の八百屋さんへイチゴを買いに行き、ミキサーでジュースつくり。ミキサーの中でこうやってぐるぐる 回っているんだよ、と実演付きです。楽しく活動に参加出来るように、子どもが 自ら心を開いて参加出来るように、おとなたちが工夫をしています。
左の写真は、担当の栄養士さんも初めてチャレンジの「ぬか床作り」。今、ほとんどの家庭で なくなってしまっているのではないでしょうか。それにチャレンジした栄養士さんも すごいなあと思いますが、「これからも各家庭でやらなくなった体験をさせて欲しいと 思います」と答えた、担任の保育士さんもすごいと思います。さらに、反省点で「ぬかが 給食室にあって、なかなか普段見せてあげられなくて、感心がうすれていったのが 残念です」と書いてありました。きっと、次回では子どもたちにかき混ぜさせるところまで いくのではないでしょうか。食材への興味
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旬の野菜をクッキングすることがテーマでしたので、子どもたちに野菜に興味を持ってもらうよう 工夫をしています。箱の中に野菜を入れ、手探りで野菜を当てるクイズ。一口サイズに 野菜を切り、味見をして何の野菜か当てるクイズ。たくさんの野菜を並べ、野菜の名前を言って どのやさいか当てるクイズ。どれも子どもたちが楽しみながら、夢中になりながら 食材に興味を持てるように考えられています。右の写真は、野菜の色当てクイズを 手作り教材で実施しているところです。本物の野菜の色と比較してみて、終わったあとには 絵も描いてみました。自分たちの見た野菜の色が、しっかり描かれています。
手作り教材
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今紹介した野菜色当てクイズの他にも、いろいろな教材を工夫して作っています。 子どもたちに伝えたい思いが沢山あるからです。
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紙芝居はふたつ作りました。「たべものをたいせつにしよう」と「むしばのおはなし」です。 「たべものをたいせつにしよう」では、今食べている食べ物が、どうやってロイコスプレスクールに やってきたのかを、わかりやすく伝えています。目に見えないところを、どうやって子どもたちに 伝えたらいいか考えた末に、栄養士さんが紙芝居を作りました。
ほかにも、手作りのパネルシアターを使って、子どもたちにお話しする時間ももうけました。 今までに経験したことのないお話しを、子どもたちはとても真剣に聞いていたようです。 誰か伝える人、教える人がいなければ、子どもたちは知らないままで終わってしまいます。